オフィス入口脇のビオトープ

イングの事務所入口の脇に、いくつかの鉢植えと並んで水鉢が置いてあります。もともとはスイレンを咲かそうと思って試みたのですが、どうも上手くいかず、花は咲かないが見た目が清々しいフトイを植えたところ、これは見事に根付いたので、アオウキクサを浮かべるとなかなか感じがよくなりました。

そうなるとその中に何か生き物がいたほうが良いような雰囲気になったので、マツモのような藻を入れ、クロメダカを5匹ほど放してやりましたが、これも成功で何もせず放っておいたのに冬を越しても元気に泳いでいました。さらに老廃物やコケの掃除によいと聞いたヤマトヌマエビを加えやり、その頃には藻に付いてきたと思われるタニシも自然発生的に増え、知らぬ間に俗にいうビオトープらしくなっていました。浮き草のかげから顔をのぞかせるメダカの姿がなんとも可愛らしく、この鉢に囲まれた世界が生きているという感じがはっきりと伝わってきます。

そもそもビオトープとは、定義によれば「周辺地域から明確に区別できる性質を持った生息環境の地理的最小単位」であるらしく、この水鉢は正にそうであり、また「毎日餌を与え水を濾過している熱帯魚の水槽などはビオトープではない」ということからすると、蒸発して水が少なくなると少し足してやったり、餌も時々やるのですが、それもせずにたとえ放置しておいても環境を維持するように見えるので、やはり一応はビオトープではないかと考えています。

いずれにしろ、オフィス入口脇に置いてあり毎日そこを通るのですが、その時なぜかその水鉢に目が向き、そしてなぜかホッとするのは、そこには、いろんな生き物が共存して生きている「小さな命のコラボ世界」からの可憐なエネルギーが放射されているからではないかと思っています。